書籍への想い 水野雅弘

25年ぶりにマーケティング書籍を出すことになった。

私が起業のきっかけとなったのは、20代前半放送作家の仕事をしている頃、当時のマスマーケティングによる大量の商品広告による経済損失や環境負荷を強く感じたからだ。

当時のTVやラジオなどの放送コマーシャルは、有名タレントを使った海外ロケなどが多く、商品価値以上の過剰な表現でプロモートしていることに無駄と矛盾を強く感じていた。そのコストは全て顧客が購入する価格に乗っているからだ。

さらに大きな疑問を抱いたのは、資源の無駄使いだった。

既に「成長の限界」が発表されていたにも関わらず、コンバージョンレートの低いマスマーケティングは大量の売れない在庫を生み、それはゴミと化し、想像を超える廃棄処分となっていた。同時に商品寿命をあえて短くする商品開発や始めから買い替えを前提とした”飽きさせるマーケティング”に納得のいかない経済成長をみていた。

そこで、私は英国で始まったマーケティングオートメーションの始まりとなるCRM(顧客リレーション管理システム)や米国のコールセンタービジネスに注目し、日本社会に提唱した。それを纏めたのが、第3のセールスパワー(コールセンターマーケティング入門)をダイアモンド社から出版した書籍だった。いわゆるマーケティング2.0をコンピュータの進化とリレーショナルデータベース、分析ツールの発展によって新たなステージに向かうきっかけを創出し、ダイレクトバンキングや保険ダイレクトなどさまざまなダイレクトビジネスを日本から生み出した。

やがて、CRM市場は大きく発展することになるが、顧客マーケティングは顧客中心主義を謳いながらも、効果的なマーケティングによって収益を拡大することであり、マーケティングコストの最適化は図れても環境負荷は増える一方だった。

私は2003年頃からその課題を解決する糸口として、社会的共感価値による企業の信頼資産を生み出すマーケティングとしてCSRに注目した。英国のNGOなどを招聘し、ステークホルダーエンゲージメントを提唱したが、利益、株主中心のマーケティング経営がもたらす消費社会はけっして良い方向に転換できなかった。企業は社会貢献に留まってしまったのである。

そのため、2006年に日本の消費者意識にサステナビリティを啓蒙するために立ち上げたのが、環境映像メディア”Green TV japan”である。

しかし、視聴分析を行うと残念ながら無関心層が多い日本の消費者に何も大きな変化を遂げることなく、人権問題、経済格差、地球環境は悪化するばかりだった。

やや諦めていた10年が経過した2015年。全世界の国々が”私たちの世界の変革を進める”SDGsが合意されたことによって、この書籍への想いとマーケティングの変革の重要性を改めて強く感じたのである。

2年前、共著の原さんとその想いを共有し執筆に向かうことになる。ここ数年はSDGsの講演やワークショップを数多く担当する中で、私自身が自己のpurposeを見つけ、その想いからこの書籍のメソッドの柱となるSDGs marketing matrixが生まれた。

今、世界は予測困難な社会とされ、気候変動リスクなど複雑な課題や問題を抱えながらも、20世紀型の化石燃料に依存する脆弱性の高い経済社会が続いているが、その脆弱性を可視化するかのようにpandemicが起きてしまった。成長を遂げてきたグローバリゼーションが分断されたのである。

しかし、行動することによって明るい未来に向けた希望もある。

私たちは、このpandemicを体験し、10年進化して変革を成し遂げなくてなならなかったことが、

3年で劇的に変わることだろう。

今こそ、これまでのビジネスの成長の視点を見直し、マーケティングを豊かな社会に転換するメソッドとしてアップデイトできるとても良い機会だと考える。

次世代のマーケッターを生み出すきっかけとして

是非、多くの方にご一読頂きたい。

マーケティング2.0を訴求して25年。いよいよマーケティング4.0を社会に浸透する世界が始まる

きっかけになって欲しいと願う。

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